地下鉄の出口：アトランダム：SSブログ

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地下鉄の出口　[日常の話題] [編集]

地下鉄の出口が苦手だ。
長い長い階段を上がって、あらかじめ調べておいた
何番出口を確かめ、そのとおり地上に出ると、
どこがどこやらさっぱりわからない。
はじめて降りる地下鉄出口は、
アリスの不思議な世界の入口のようだ。

西も東もわからない。
交番や、目立ったお店があればいいが、
頭上を高速道路が行き交い、
交差点が連続してあって、５差路、６差路、８差路に
なっていて、どの道路沿いにすすめばいいのか、
まったくわからない。

こういう体験をした方、案外多いのではないだろうか。
このあいだ、そういう具合で、はじめて降りる駅に向かった。
目当てのビルは、４０階近く、そのくらい高ければ超高層、
駅に降りて出口にたてば、すぐわかる。
と、思いこんだ。

駅から３～４分の距離ということで、
相手も、そんなふうな対応だったから、
細かく教えてもらうことをしなかった。
第一、何十年も東京に住んでいるんだし・・・・・。

ところが、ところが、
教えられた出口にでたら、空がない！
高速ｊ道路に頭上をふさがれて、
周囲にビルが迫っているので、それらしきビルが見えない。

途方に暮れるとは、まさにこのこと。
道路が放射状に何本ものびていて、
どの道路に沿っていけばいいのかわからない。
足が地面にはりついてしまった。

誰かにたずねようと思っても、
誰もいない。
この世にたった一人残された気分。

目の前に案内地図の看板があるのだが、
番地が書いてあるだけで、目印になるような店がない。
方角がわからないので、確かに駅のそばに
その番地はあるのだとしかわからない。
その番地方向に行くには、どの道路を進めばいいのか
まったくわからない。
その周囲、だだっぴろい交差点ばかりなのだ。
こんな地図、何の役に立つのだ！

とにかく、背の高いそのビルが見える場所をさがそう、
と空がひらけたあたりを目指して歩き、
坂道の途中で周囲を見渡したが見えない。
仕方なく戻って、駅のそばの広い道路沿いに空を見ながら歩き、
ひらけた場所に達して周囲を見渡したら、そのビルが見えた。
確かにそのビルだけ、とびぬけて高い。
ただし、反対方向にあった。

駅から歩いて３～４分のビルに、
１０分以上かかって、１５分だったか、
寒い日だったのに焦りまくって汗をかいた。

地下鉄の出口、わたしは大嫌いだ！

タグ：地下鉄の出口