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街角 [ひとりごと]

マチカド09.jpg

ただ通り過ぎるだけの街を、
車や列車の窓から眺めるというのが好きだ。

その地に、なんのしがらみもなく、
友人知人もなく、言葉すらも通じなくて、
なんだか透明人間になって、通り過ぎる。

人恋しいような、
孤独にこのままずっと埋もれていたいような、
時の流れを超越したような、
世界から、はじき出されたような。

軽い透明な風になって、
見知らぬ街を走り去る。

誰もわたしが通り過ぎたことに気づかない。
わたしのなかに、通り過ぎた街の記憶が残らない。

そんな旅の瞬間が、好きだ。


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